ほぼ足りてまだ欲 その先

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中国の力

 日本や欧州にいてもかつての状況に比べれば確かに随分増えているなぁと、中国人のツーリストについての印象を持つけれど、それが北米、オセアニアに至ると、ツーリストが増えているなという程度ではなくて、あっという間に居住者が増え、飲食店がちょっとしたところにまでできていてその数の多いことに驚く。
 そういわれてみれば東京でもちょっと外れかかった様な地域でも火鍋屋やら、日本人が好む類いの中華といわれるものを提供する飲食店が確かに増えている。しかし、北米、オセアニアではそんな程度の話ではない。
 ニュージーランドオークランドでは全般的に増えている印象を持つけれど、地域によっては軒並み中国人が経営している店だし、シドニーでは各種の料理店をそろえたはずのフードコートでも結局中身は中国からの移民が従事している。メルボルンに至っては市内のかつてあった細い中華街なんぞに全く収まっていないで、あの長方形の中に数えきれないほどの店が軒を連ねている。ニューヨーク、マンハッタンの中華街はついにリトル・イタリーを浸食してビッグ・チャイナになりつつある。
 ついには各地で、中国人や韓国人が経営する「Japanese Cuisine」と称する店がどんどん増えている。日本料理といっても、のり巻き、軍艦巻き、トンカツの類いで格好がそれっぽいというだけで、かつてはその種の店も日本人が来ると何となくばつの悪い雰囲気を醸し出していたけれど、今や日本人はやってこないから堂々たるものである。
 それでも考えてみれば、「日本料理」ってなによ?といわれて答えられない。ダシを取って作っていれば日本料理なのだろうか?そんなことをいったら日本の店だって、そこのところをいい加減にしている店だって平気であるではないか。
 それにイタリア料理と称していても日本人がパスタを出せばそれで良い様でもあるし、日本でスペイン料理と称してピザを扱っている店だって平気である。タパスと書いてあるのにとてもタパスの類いとはいえない様な小皿を出す店だってある。だから、彼らを非難する気にはなれない。だけれど、なんとなく釈然としない。
 かつて日本人が海外で団体になって動いて何となく不気味で疎んじられていたのだけれど、今まさにそれが中国人に取って代わられていて、それも通過していなくなる存在の増え方ではなく、一気に飲み込んでしまいそうな増え方である。あれだけの人口を抱えている訳だし、これからの伸び代のことを考えると、この傾向は増加に拍車がかかることはあっても減少することはなかなかあり得ないだろう。
 この際、彼らの勢いに乗じて儲ける手段を考えるほうがなんぼか手っ取り早い。