冬のオリンピックがミラノとコルチナ・ダンペッツォの共催に決まった。
コルチナ・ダンペッツォといえばドロミテ観光の中心地。そして1956年の冬のオリンピックの開催地でもある。猪谷千春(アルペンスキー男子回転)が銀メダルを取ったオリンピックとしても日本人の記憶に残るところ。オーストリアのトニー・ザイラー(Anton("Toni") Sailer)がアルペン三冠王をとった。彼は日本でも大人気で、1959年11月から5ヶ月にもわたって日本に滞在した。
現地ではもう一度オリンピックを!と運動が盛んにされていた。なにしろあのオリンピック以来の設備が中心で、老朽化していることは否めない。動くというので行ってみると、やっぱり動かせない、ということで諦めたロープウェイすらある。あっちの山のロープウェイはお昼休みがあって、動かない時間があっても平気だ。宿泊施設も古くて、多分あれだけの施設数ではオリンピックの期間中、多くの人を収容しきれないだろう。
となると、大規模な新設、あるいはリノベーション工事が続くことになる。しかし、その結果がどうなるのかを考えると、必ずしも良いことであるような気がしない。
今の状態だからこそ、のんびりとした、そしてリラックスできる景観を提供できているのではないだろうか。便利にはなるだろうけれど、それがその先も続けることができるのかといったら、不安は大きい。