西隣の区立図書館から借りだしていた本が期限が来てしまったので、日曜日だけれど、夕方に返しに行く。バスはガラガラだった。ところが図書館は明日が休館日ということもあるのか、受付に利用者が目白押しだった。尤も、週末にこういうところに来ることは絶無だからただそれだけのことなのかも知れない。そこからまたバスに乗って上野不忍池に出る。日頃この路線に乗るのは、概ね平日の昼間だから、ほとんど爺婆だけれど、日曜日の今日は違っていて、優先席には、若い二人連れがどっかと座ってそれぞれスマホを見ている。これなら並んで座る必要もなさそうだ。
上野広小路を上野駅まで歩く羽目になったので、それだったらちょっと不忍池を覗いていこうと向かうと、日曜日の夕刻らしく、思いもよらないほどの人の数だった。そりゃオリンピックもやろう、できることなら観客たくさん入れてやりたいね、というくらいの風潮なんだから、下々が盛り場に繰り出してなにが悪い、ってなもんだろう。中には二人で肩を組んで、足下ふらふらの男女だっているくらいだ。どこで呑んでくるんだろう、なんて思っていたら、地元に帰ってきたら、居酒屋が軒並みワンワンしていて、その外には、まるでどこかの国のパブの様に、煙草を吸っている酔っ払いグループがあそこにもここにもいる。
不忍池のテラスにはそこから見える蓮の花の数よりも一杯いるんじゃないかというほどの見物人が並んでいる。まるで昔の様に、各国語が入り交じる人だかりだ。むしろ懐かしい光景になっているが、今じゃ怖ろしい光景といっても良いんだろうなぁ。オリンピックが通り過ぎたあとの感染拡大がどれほどになるのかと考えるもの怖ろしい。こんな時に外に出た爺が馬鹿なだけだ。
五輪が延期になる前から決まっていたんだと、橋本聖子が馬鹿な理由を言っていた、迎賓館の赤坂離宮には何重もの警戒線を制服警官が構築する中でIOCの歓迎会が開かれたんだそうでございますな。私たちは上級国民で君らとは違うんだぜといわんばかりでございます。あいつらの間で、感染者が出たら出たら思いっきり罵倒してやるんだが、ということまで考えてしまう今日この頃でございます。