ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

生意気なことをいうようですが

写真は本文とは関係がありません。

 日本ではちょいと前には高齢者の山登りが大人気だったそうです。なにしろ穂高岳だ、槍岳だといって、高齢者がのぼるようになったとどこかで読んだことがございます。確かに、山道具屋さんなんぞにお伺い致しますと、若い人よりも歳のいった人たちの方が多いような気がしますが、それはこっちがそんな時間に行っているからでございましょう。

 戦後そんなに経たない頃、日本にはなんでか知りませんが、登山ブームというものがございました。私が中学を卒業した頃ですから、多分1960年代中頃には、週末の夜に新宿駅なんぞに差し掛かりますというと、プラットフォームの乗り口表示の札がかかったところに、油引きのキスリングやアノラック(あれは何語だったんですかねぇ、臭かったなぁ)を着た若者が座り込んでいましたねぇ。キャラバンシューズなんてものもあった頃です。
 で、高齢者登山も冬山までどんどんやるようになって、驚いておりましたが、11年前の連休中に白馬の大雪渓で雪崩事故が起きて、二人死にました。そのうちの一人がどうもどこかで聞いたような名前だと思っていたら、高校一年の時に同級生だった山岳部の男でした。彼等が大きなキスリングに重りを入れて、校舎の階段を一階から三階の上の屋上まで行ったり来たりトレーニングをしていたのが記憶にあります。
 当時彼は63歳。その時の男女9人のパーティーは東京都山岳連盟に所属する山の会のメンバーで、その年の夏に彼は夫婦で欧州へ出かける予定にしていたというのです。
 私の大学時代のサークルの先輩の旦那さんがやっぱり登山を趣味にされているようで、彼等の結婚披露パーティにお伺いしたときに、その高校の同級生とバッタリ再会して、あまりの意外な状況に驚いた記憶があります。

 随分大がかりな登山の話になってしまいましたが、話題にしたかったのは、そんな大袈裟な話ではないのです。簡単に言うと、山へ出かけるときの服装やら簡単な装備の話です。なにかといえば、ざっと見ると、ほとんどの女性はほぼ皆さん同じ様な格好をされています。それも押し並べて同じです。ほとんどが、モンベルを中心とした、好日山荘石井スポーツ、アートスポーツといったところで誂えるので、ほぼツバ広の帽子、つるっとしたゴアテックスのパンツに同じようなゴアテックスのレインギア、靴はとてもしっかりした、ハイカットで裏はビブラム。そして両手にはポールというわけで、完成です。どうしてもこういう格好になってしまいます。

 しかも、今やスイスのマムートやら、様々なお高いウェアもあって、日本人の山歩きは欧州でもすぐに同国人だと判明致します。しかし、意外だったのは韓国から来られる山歩きのグループも、全く日本人の格好と同じなんですね。しかも、韓国の高齢男性は皆さん徴兵があるせいなのか、日本人高齢山歩き爺さんよりも数段力強い印象です。どうして韓国の人たちも似たような雰囲気を醸し出しているんだろうと気がつくと、なんとモンベルはちゃんと韓国にも出店しているんですね。あ、これ、どこかで書いた記憶があるなぁ。
 しかし、欧州の簡単なハイキングルートを歩いていると、現地の人たちとは全然異なる雰囲気なのですよ。あれはなんでしょうか。靴までは克明に見ていないのですが、ジーパンだったり、普通のシャツだったり。暑いときにはシャツなんて平気で脱いで歩いていたり。

 もっとも自分も正にその通りで、あとから写真で見ると、まるでモンベルのカタログから拾ってきたような格好をしているのが良くわかります。先日もまたゴアテックスの靴を買っちゃったしね。