ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

Colin Rand Kaepernick


www.youtube.com



 普通の日本人の人たちには殆ど知られていない名前だけれど、米国では殆ど知らない人はいない。
NHKBS1の「BS世界のドキュメンタリー」で「片膝をついた抗議 花形アメフト選手の選択と代償(原題:Kaepernick & America)」というタイトルで2022年に米国Triple Threat TVが制作したドキュメンタリーを放送した。ほとんど視聴率は限りなくゼロに近かったに相違ない。何しろお盆で、「降参宣言の日」であり、西日本は台風7号でそれどころではない。

 彼は黒人だけれど、彼の両親は白人だ。どういうことかというと、彼の両親は養親なのだ。もともと彼は白人の母親から産まれたが父親が黒人だった。シングル・マザーだった彼の母親は、より良い環境を与えたいと考えて、白人夫婦のもとに養子に出したそうだ。
 その前に、日本人には彼の名前をなんと発音して良いのか、非常に悩む。大体、こんな名前これまでに見たこともない。キャパニックと発音する人もいるが、ケイパニックとする人もいる。YouTubeには彼の名前はなんと発音されているか、という投稿すらある。


www.youtube.com

 番組では自身が彼と同じ境遇で白人の養親のもとで育った女性が育つ過程において自身の精神的ポジションの持ち方に非常に苦労すると説明していた。
 出身はMilwaukeeだけれど、UNR:University of Nevada, Renoから2011年のドラフト2巡目でSan Francisco 49ersに入団。2015年のドラフト1位で49ersに入ったQB、アレックス・スミスが2012年の途中で怪我をした、その交代で活躍して、そこからはメインのQBとして定着する。野球でもフットボールでも、怪我した主役に交代してその地位を揺るぎないものにするというのはよくあるパターンだ。

 スミスはその後Kansas City Chiefsにトレードされて活躍するが、当時のChiefsは強いチームだった記憶がない。2018年にWashington Redskinsにトレードされる。その後釜が今にNFLの頂点に燦然と輝くPatrick Mahomesだ。49ersの2021-22もそんなパターンで、とても期待されて全体の3位でドラフトされたTrey Lanceが怪我をする。しょっちゅう怪我をしていたジミー・ガロッポロがバックアップする。しかし、13週目でそのガロッポロがまた怪我をする。しょうがなく起用されたのが前年のドラフトで262位の最低順位で指名されたBrock Richard Purdyを起用!これが大当たり!なんと5勝0敗でシーズンを終えたのだ。プリ・シーズン・ゲーム第一戦ではTrey Lanceが先発した。

 あ、話はそこじゃない。Kaepernickは高校時代野球の投手もやっていた。「高校での野球の成績は11勝2敗、97三振、39四球、防御率1.265(出典:ウィキペディア)」なんとMLBからドラフトされてもいる。QBでMLBからドラフトされた選手は結構いるらしい。SeattleからDenverに移籍したラッセル・ウィルソンも、かのTom Bradyもドラフトされているという。
 Kaepernickが黒人問題ではっきりと自己を主張したのは2016年8月のPre Season gameで、国歌斉唱に際し、ベンチに座り続けたことだった。そこから彼の長い、そして険しい境遇とのせめぎあいが始まる。