隣の図書館が明日はお休みだってことをふとした拍子に思い出し、夕方あわてて返却にいった。
バスが片側一車線のクネクネ道に差し掛かると、前を電動キックボードに乗った女性が中途半端にフラフラ走っている。
なんだか危なっかしいなぁと思ったら、バスの運転手はバス停が見えてきたから速度を出して、それを追い越した。
すると、バス停に停まって乗客が乗り降りしている間に、その電動キックボードの女はバスを追い越しざまにバスの運転手に対して中指を立てていった。
バスの運転手が気がついたかどうかはわからないけれど、少なくとも私は気がついた。
アメリカかぶれした女なんだなと思ったけれど、公道で一人の女性がそんなサインを送るなんて、なんつう奴だろうと思った。
私が降りる次のバス停にバスが近づくと、この女は電動キックボードを中途半端にバス停近くに止めていた。
おかげで、バスは歩道に平行に停めることができなくて、私は「よいしょ」と一旦車道におりて、それから歩道にまた「よいしょ」と登る羽目になった。
電動キックボードの女はもちろんそんなことには気が付かず、というか、意図的に気づかないふりをしていたのかも知れないけれど、何をしていたのかと思ったら、バスの背面に書かれたバスの番号を携帯電話で写真に撮っていた。多分東京都交通局に送りつけて「危うく轢かれるところだった!」ぐらいの嘘を書いていることだろう。
誰だよ、電動キックボードなんて許可したのは!