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「率直にお詫び」水俣病50年

11月28日、安倍晋三が会見で小泉の「談話」を発表したのだそうだ。
産経新聞

「率直にお詫び、悲劇繰り返さない」水俣病確認50年で首相談話-
 安倍晋三官房長官は28日の記者会見で、水俣病の公式確認から5月1日で50年を迎えることを受け、小泉純一郎首相の談話を発表した。
 談話は「長期間にわたり適切な対応をすることができず、水俣病の被害の拡大を防止できなかったことを、政府として責任を痛感し、率直におわびを申し上げる」と陳謝。そのうえで、「このような悲劇を二度と繰り返さないために、水俣病の経験を内外に広く伝え続けるとともに、環境を守り安心して暮らしていける社会を実現するため取り組んでいく」との決意を表明している。
 会見で、安倍氏は「救済が遅れているとの指摘については、環境省を中心にしっかりと取り組んでいきたい」と述べた。
 水俣病をめぐっては、平成16年10月に、被害拡大について国の責任を認め、未認定患者らへの賠償支払い命令を命じた大阪高裁判決を支持する最高裁判決が出ている。
◇【水俣病公式確認50年に当たっての内閣総理大臣談話】(全文) 水俣病の公式確認から50年という節目の年を迎え、これまでにお亡くなりになった多くの方々に謹んで哀悼の念をささげるとともに、被害者の方々をはじめご遺族、ご家族など関係者の方々の長きにわたる苦しみに心よりお見舞いを申し上げます。  日本の高度経済成長の中で生じた水俣病問題は、深刻な健康被害をもたらしたばかりでなく、地域住民の皆さまに大きな犠牲を強いてきました。一昨年10月の最高裁判決において国の責任が認められましたが、長期間にわたって適切な対応をなすことができず、水俣病の被害の拡大を防止できなかったことについて、政府としてその責任を痛感し、率直におわびを申し上げます。
 この50年の節目を機に、平成7年の政治解決および今般の最高裁判決を踏まえ、このような悲劇を二度と繰り返さないために、水俣病の経験を内外に広く伝え続けるとともに、その教訓を生かし、環境を守り安心して暮らしていける社会を実現すべく、政府を挙げて取り組んでいく決意をここに表明いたします。

同じように、西日本新聞もこの「談話」を取り上げている。しかし、産経新聞と異なるところがある。
それは

 また、水俣病問題を「高度成長の中で生じ、深刻な健康被害をもたらしたばかりでなく、地域住民に大きな犠牲を強いてきた」と位置付けたが、国や熊本県の責任を認めた2004年の関西訴訟最高裁判決については経過説明の中で触れただけ。最高裁判決をきっかけに認定申請が相次ぐなど政治決着後に生じた新たな課題に対する対応への言及はなかった。
 小泉首相は同日、記者団に「予期しない問題で大きな被害に遭って苦痛にあえいでいる方々(がいる)。こういう問題を2度と起こしてはならない。率直な思いを談話にした」と説明。政府の対策が不十分という指摘には「(患者認定をめぐって係争中の)訴訟を見守っていかなければならない。とにかく公害を起こしてはいけない。反省しないといけない」とし、明確な回答を避けた。

この部分が追加されている点である。そして、西日本新聞はその後も下記の如き、反応を伝えている。「率直に」謝るというのはその代償を果たさなくてはならないと云うことではないのだろうか。“あやまっちまえば良いだよ“的認識で終わりにするというのであれば、それはあまりにも被害者を愚弄している。

謝罪くみ取れぬ 水俣病首相談話 被害者ら失望感「中身ない」「救済案示せ」 
 水俣病公式確認50年の小泉純一郎首相の談話に対し28日、熊本県水俣市の関係者らは落胆や批判的な感想を語った。50年たっても新たな認定申請や裁判が続いている現状と打開策について、首相が言及していないためだ。それでも談話の「政府としての責任を痛感」「率直におわび」という文言に、被害者救済へ期待をかける声もあった。
 新たな認定申請者が熊本地裁に提訴した国家賠償訴訟の第3回口頭弁論がこの日、熊本市の同地裁で開かれた。傍聴に来た原告団の中嶋武光副団長(63)は「早期救済へ首相の決意を期待したが、大変失望している。政府はいまだに、被害者に目を向けていない」とため息交じりに話した。
 別の認定申請者でつくる水俣病被害者芦北の会の村上喜治会長(56)は「行政や政府が至らないために今の混乱があるのだから、謝罪は当たり前。感慨はない。ただ、首相が言う被害者の中に未認定の私たちも含まれていると信じたい。これを機に、少しでも早い救済を願う」と前向きに語った。
 認定患者らでつくる水俣病互助会事務局の谷洋一さん(57)は「通り一遍のあいさつ文に意味はない。認定問題や胎児性患者支援のシステムづくりなど未解決問題をどうするかが1番の課題なのに、深刻さが全く伝わってこない。企業に加担し続けた行政や政府が、今も被害者に向き合っていないことを明白にする談話だ」と厳しく批判した。
 水俣市の宮本勝彬市長は「首相談話が出たことは関係者のご努力の結果であり、ありがたい」と評価しつつも「被害者救済につながる具体的内容がほしかった。物足りない。今後の取り組みに期待したい」と注文した。
■「地元に励み」潮谷知事は評価
 熊本県潮谷義子知事は28日の定例記者会見で首相談話に触れ「地元が要望していた首相の慰霊式出席はかなわなかったが、今回の談話で、政府として謝罪され、悲劇を2度と繰り返さないと誓った意義は大きい。地元にとって大きな励みになる。水俣病が1地域の問題ではなく、国全体の問題だという意識を共有できたと思う。公害の再発防止はもちろん、被害者の早期救済に、国としての主体的な取り組みを期待したい」と語った。=2006/04/29付 西日本新聞朝刊= 2006年04月29日00時05分

水俣市の宮本市長は前教育長で、水俣市の水源のひとつとなっている山に作られようとしている産廃処分場建設に反対の意思を表明して今年初めの市長選に立候補し、前職を破って当選したばかり。産廃処理場を計画しているのは(株)IWDという神奈川県海老名市に本社がある企業の現地法人
熊本県の潮谷知事は大阪府の太田知事に次いで二人目の女性知事。社会事業大学出身。二期目。
(04/28 12:05)