豪州のプロ野球リーグが正式に始まったのだそうだ。ABF(Australia Baseball Federation)とMLBの共同主催で昨年リーグが設立されて、今月開幕したそうだ。ABLのサイトを見ると6チームあるそうで、要するにダーウィン、ホバートを除く州都とキャンベラだ。
豪州には前にもプロ・リーグだったのか、セミプロだったかのリーグ戦が行われていたのだけれど、実は相当に悲惨だった。15年前に豪州のテレビで中継を見たことがあったけれど、当時は専用球場なんてものがないから、オーバルをつかってやっていた。ベンチがテントだったりした。当時、マウンドはどうしていたのだろう。野球は夏だし、三種類存在するラグビー系のフットボールは概ね冬だからできるといえばできる。アメリカだって国際的にはアメリカン・フットボールというべきなんだろうNFLと野球はシーズンが重ならないから同じ球技場を使っているケースだって珍しくはなかった。
豪州の野球は細々と続いていたし、多分（検証していないけれど）WW-IIで米軍が駐留していたんだからその間野球が彼等によってやられていた可能性は充分だろう。戦後の米軍（正確には連合軍）駐留期間に横浜の本牧にナイター設備のついた野球場が作られていたのを覚えているが、そんな施設を彼等は豪州には作らなかったのだろうか。
80年代頃からオージーで米国のリーグでプレイする選手が出てくるようになった。メジャーに上がる選手は滅多にいなかったけれど、マイナーには何人もいるんだと15年前にオージーから聞いたことがある。彼等にしてみるとアメリカン・フットボールは身体中に防具を着けていちいち集まって相談なんかしやがって、軟弱そのものという評価のようだけれど（それでもキッカーとして実績をNFLに残したオージーはいた）、野球は盛り上がらないけれど、続いていた。私たちが住んでいた北のあたりでも地元のリトル・リーグが練習しているのを見ていると、女の子を交えて楽しそうに野球をやっていた。もうまるで全国から選手をかき集めている甲子園常連校のような規律を求めて、ガッツで頑張る日本の少年野球と較べて、実に大らかで、のんびりしていて、野球の楽しさと悔しさを実感するリトル・リーグだったのが羨ましかった記憶もある。
いつの頃からかオリンピックの野球で豪州は日本や韓国に互してメダルを争うようになった。そして日本にもプレイヤーとして豪州の選手が活躍するようになった。そんな中で新潟でクラブチームとして都市対抗を目指して豪州から選手を大挙連れてきた人たちがいたけれど、地方予選で敗れるや選手は全員帰国した。まるで豪州の野球愛好者たちを道具にしたようなやり方で、日本のクラブチームで励む選手たちにとってもバカにしたようなやり方で、私は日豪親善にもなんにもならない仕打ちだと向かっ腹を立てた。
日本からも何人か、ジャイアンツ、ホークスから出掛けているそうだし、韓国からもウィンター・リーグとして出掛けているそうだ。まだまだ、ホームページを見ても全然充実していないし、手が回っていないのがありありだ。多分選手へのケアもほとんどなしに等しいかもしれない。多分米国の独立リーグをも下回るかもしれない。そしてリーグとしてどれほどやっていけるのかはかなり疑問だろう。だけれども、若いプレイヤーにとっては他国で実践に励むことができるのは必ずやプラスになるだろうと思う。問題はコンディション作りだということだろう。
ABL → こちら。
メルボルン・エイシーズの本拠地はメルボルン・ショー・グラウンドだってねぇ。大丈夫かなぁ。
Sydney Blue Soxの本拠地はBlacktown Baseball Stadiumで観客席3000。あの2000年オリンピックで使われた球場だ。Perth Heat（実に暑そうなPerthならではの名前だ）の本拠地は観客席4,500の西豪州政府が運営しているBarbagallo Ballparkだそうだ。一方Canberra Carvarlyの本拠地はNarrabundah Ballparkで観客席1500。Brisbane Banditsの本拠地はRNA Showgroundで、このRNAというのは正式名称をRoyal National Agricultural and Industrial Association of Queenslandというらしいのだけれど、この種の施設は様々なところにある。豪州ではイースターの時期が収穫の時期に当たるわけで、各地で収穫祭とも言うべき大々的なイベントが開かれる。それで各地にこうしたshow groundが存在する。そこがラグビー・リーグやオージー・フットボールの本拠地になっていたりする。
HornsbyのラジオHHH（こちら）がSydney Blue Soxの試合を中継放送するんだそうで、次回は12月3-4-5日の三日間。ライブで聴けるかな。
昔もシドニーのチームは「ブルー」といったような気がするのだ。
「バイスボール」という発音をお楽しみいただきたい。
