ほぼ足りてまだ欲 その先

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軍隊の尻尾

 私はかつて造船所で働いていた事があって、その会社には旧日本海軍に繋がる人がいくらもいた。今から考えてみればそれは当たり前の事で、かつての日本の造船技術はいわゆる海軍工廠で磨かれていたわけで、造船技術を学んだ学卒の連中の行き先は船会社、海軍、民間造船所だった。
 だからお偉い人は旧海軍軍人だったり、終いには著名海軍幹部の息子なんて人たちが多くおられた。その人たちの人柄はまちまちで、如何にもの懐の深い、大人(たいじん)といっても良いような人から、あからさまに偉そうな人もいるし、オヤジの汚名をそそがんとしている人がいたりして、まだまだ戦争の尻尾、軍の尻尾が見え隠れしていた。
 最後の海軍兵学校出身だという役員なんぞはバンカラというか、野蛮とでもいえそうなおっさんだった。彼らにはあの戦争を悔いている風はほとんどない。周りもそう見ようとはしない。そんな事をしたら、路線から外されるのはわかりきっている。
 その系統の会社は今でも紆余曲折の後存続しているけれど、もうほとんど何が何だかわからないし、もうほとんど付き合いもない。というよりは付き合いたくない。