ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

朋あり

 今日は広島から友人夫妻が出てくる。旦那さんは二人が長年通ったあるバーでの知り合いで、奥さんはかつての会社の同僚だった。二人が結婚を決意して、両方の親が初めて出逢う、つまり当時は普通だった結納の儀を執り行うに当たって、適当な人がいないから、代わりにやってくれないかといわれ、じゃ、この時だけね、という約束でやったこともない仲人代わりということになった。それまで結婚式の司会というのは何回もやっては来たけれど、仲人なんてやったことがあるわけがない。「幾久しく」なんたらかんたらといわなきゃならないのが重荷で、当時良く書店の実用ジャンルの棚にあった「初めての仲人」みたいな本を買って読み、見よう見まねで相務めた。
 すると滞りなく務めたところで、ご家族が、「ここまで来たんですから、乗りかかった船ということで」披露宴までお願いしたいということになっちゃって、とうとう本当の仲人役をすることにまでなってしまった。
 焦ったのはうちのつれあいだ。まさかそこまでとは思っていなかった。それに大体なんだよなぁ、うちの夫婦がうまくいっているとは限らないじゃないかなぁ、と冗談で言っていたら、それを聞いていた某映画会社のテレビドラマプロデューサーが「あ、それは面白いや!」と手を打って、あれよあれよといううちに、構想が進行!まさにそんな筋書きのドラマになって放送されちまった。
 披露宴の司会をやっていたときは気楽だったが、お仲人ともなると新郎新婦の横に並んで、お客さんと相対したかたちでしゃっちこばっていなくてはならない。いやぁ、辛かった。
 しかし、あとで教会の結婚式のあとの集合写真を見ると、一番嬉しそうな顔をしているのは私だったのには笑った。あれが最初で最後の仲人の儀だったのだ。しかし、二人がここまで頑張ってきてくれて、こっちもとても嬉しい。彼らはドッグ・カフェを経営している。旦那が料理をつくり、かみさんがデザートを作っているんだそうだ。
 とても美味しいお酒の晩だった。