10日間、風邪に悩まされ、家から出ずにいた。昨日から今度はつれあいが首筋が痛くて動けないというので、しょうがないからゴミ捨てと、買い物に行くことになった。帽子を被り、マスクをし、マフラーを巻いて、ダウンコートに身を固めて出た。久しぶりに外に出たら、空気を吸うのが怖い。ウィルスだらけなんじゃないかという気になる。マスクが上手く装着できなくて、眼鏡が曇る。横丁を曲がって、次のコーナーを曲がろうとしたら、そこに沈丁花が咲いていて、えっ！もうこんなことになっているのか！とびっくりした。マスクをしているから、多分そこに漂っていたであろう、春を告げる沈丁花のあの香りに気がつかなかったわけだ。なんと惜しいことをしていたことだろう。スーパーの帰りに、今度は表通りを歩いてきた。そこにはいくつか、沈丁花が数株まとまっているところがあるからだ。ものの見事に、花がほころびている。風邪で寝込んで春に出遅れた気がする。
