ほぼ足りてまだ欲 その先

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旧交

 同年齢の大学の先生が亡くなって丸2年が過ぎた。とても軸のしっかりした人で、その分野では知らない人がいないというくらいの人だった。私は学部・院でもその先生のゼミではなかったけれど、なぜかそのゼミの呑み会にはしょっちゅう顔を出していた。先生と同年齢というのもあるけれど、なぜか先生も私を受け入れてくれていた。まわりの院ゼミ生はみんなもちろん私よりも若いけれど、それぞれ自分の現場で現実と直面しているまさに第一線の人たちだ。
 彼らが丸2年を記念して小冊子を作った。なんと表現して良いのか、微妙だけれど、「文集」でもないし、「同人誌」でもないけれど、とにかく何かを残したいという気持ちではないだろうか。その小冊子の最終確認打ち合わせを居酒屋でやるということで集まったところへ声を掛けて貰った。
 随分久しぶりに彼らと顔を合わせて気持ちの良い晩を過ごすことができた。これも、あの先生のおかげかと思うと、あの先生があまりにも早く他界してしまったことが実に悔やまれる。先生が今でも元気でおられたらもっともっと若い人たちが彼の影響を受けて現場に役立てることができたことだろう。その代わりに当時の院生達が先生から手に入れたものを現場に生かしてくれることだろう。
 そのうちの一人が来年には母校でひと枠の授業を受け持ち、なおかつ新所帯を構えることになったという。そうか、考えてみると彼ももう35歳だという。