ほぼ足りてまだ欲 その先

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「真相はかうだ」

 戦後、NHKGHQの企画のまま「真相はかうだ」という番組を10回ほど放送したらしい。どういう趣旨かというと、戦争中、ずっと日本国民は大日本帝国によって情報統制ということで本当のことをまったく知らされず、一喜一憂していたわけで、「本当はこうだったんだぜ」と教えるという番組だったらしい。これは『眞相箱』、『質問箱』と名前を変えながら暫く続いたらしい。
 台本が残っていて、ネット上で一本だけ公開されている(こちら)ものもあります。歴史修正主義者の多くが、この一連の番組で戦後の日本人は「自虐史観」を植え付けられてしまったのだといっています。
 この番組は今や、歴史修正主義者の美味しい資料として振り回されている感じがします。
 その公開資料からひとつだけ文字を起こしてみます。

ミッドウェー海戦の真相をお知らせください
 昭和17年の6月3日から6日にかけて、ミッドウェーの海戦はおこなわれました。ミッドウェー海戦こそ、伝統を誇るわが帝国海軍史上いまだ、かつてない致命的敗戦でした。その結果、アメリカは、真珠湾で失った勢力の不均衡を取り戻すことが出来、これが発端となって、大波のようなアメリカの海軍力が太平洋上からわが艦船を、一掃する結果となったのです。この海戦でも、珊瑚海海戦と同じく、艦隊が一発の弾も撃ち合わないうちに、飛行機は、既に勝敗を決しておりました。制空権は敵の手に握られたのです、やがて、硝煙が晴れたときには、わが艦隊は航空母艦四隻を失い、一万トン級重巡洋艦二隻、駆逐艦三隻の撃沈を被っていたのです。戦艦三隻、重巡洋艦三隻、軽巡洋艦一隻、駆逐艦数隻は損傷を受け、航空機275台を失いました。敵に与えた損害は、航空母艦一隻、駆逐艦一隻撃沈、航空機150台を撃破この時のわが帝国海軍力は少なくとも53隻の艦船、14隻の輸送船と幾多の補給船を含み恐るべきものでありました。戦隊はミッドウェー及びハワイ諸島を目指して航行中でしたが、5,000人の兵士が船もろとも海の底にのまれました。かくて、このミッドウェー海戦を機としてアメリカは重なる防御戦より、一転して攻撃にうつることになったのであります。

 ウィッキペディアによると、6月10日大本営発表は「空母エンタープライズ型1隻、ホーネット型1隻撃沈。米軍機120機。日本軍損害 空母1隻喪失、巡洋艦1隻大破、35機喪失」[487]、6月18日の大本営発表で「空母1隻撃沈を取り消し、大破認定。巡洋艦1隻、潜水艦1隻撃沈」と訂正発表したとされている。
 日本軍の損害が相当に少なく報じられているのは別に驚かないけれど、なぜか相手に与えた損害も実際よりも少なめに報じられている。
 項目の中には、あの軍人の最後はどうだったのかとか東条内閣崩壊の真相はなんだったのか等、実に多岐に亘っていて、如何に日本国民が何も知らされていなかったのか、そしてそれによってどれほど日本の情報を信頼していなかったかをうかがい知ることが出来る。
 このほかにも、あの軍人は最後どうだったのかとか、東条内閣はどうして崩壊したのか、なんてことまで登場する。如何に日本国民が何も知らされていなかったのか、そしてそれによって如何に戦後の日本国民が戦中の日本政府を信じていないかがわかる。
 ちなみに「真相箱」というキーワードで検索をしてみると、多くの歴史修正主義者がこうした自虐史観は米軍によって作られたのであると主張している。簡単だね。