明日は娘の誕生日。彼女がおなかの中にいた時に、つれあいは卵巣が腫れて捻転し、腹痛を起こしてひとりでタクシーを拾って病院に駆け込んだ。上の息子の面倒があるので、義母がうちにいてくれた。
私はというと、酔っ払って良い機嫌で帰ってきた。いつもの河岸で吞んでいれば良かったものを、偶々いつものメンバーじゃない同僚と新橋で吞んでいたので連絡が付かなかった。当時は勿論携帯電話なんかあるわけがない。
アパートの扉を開けようと鍵をとりだしたら、鍵が開いている。おかしいなぁと思いながら開けたら、義母が食堂の椅子に座って新聞を読んでいる。「どうしたの、お母さん?」といったら「どうしたじゃないよ、入院しちまったよ。すぐに病院へ来いってお医者さんが言ってるんだってよ!」という。
こりゃ大変だ!
慌てて顔を洗ってタクシーで駆けつける。しかし、酔いは覚めない。当直の医者に会うと、今すぐというわけではないけれど、腫れている卵巣が元も戻らなければ摘出するという。しかし、おなかには子どもがいるわけですけれど、というと勿論わかっていますと。
取りあえずそこまで聞いて家に帰った。あとでつれあいに聞くと、患者は遺体、痛いと行ってタクシーで入院してくるし、旦那が来てみたら酔っ払っているし、お宅はどんな家なんだ、と聞かれたんだそうだ。崩壊寸前だって雰囲気ですかねぇ。
後日手術をして摘出した。娘が生まれた時は、指はちゃんとありますか?なんて聞いたりしちゃったんだよなぁ。
その娘が300gのステーキをぺろっと食べる。そんな誕生記念わが家ディナー。