ほぼ足りてまだ欲 その先

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裁判

 国が朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したのは違法だとして、大阪朝鮮高級学校大阪府東大阪市)を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」が国に処分取り消しなどを求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。西田隆裕裁判長(三輪方大裁判長代読)は「法の趣旨を逸脱するもので違法」と判断して除外処分を取り消し、無償化の適用を命じた。(時事ニュース2017/07/28-13:29)

 この国の今の状況の中で西田裁判長の判決は非常に勇気の要る判決だったといって良いだろう。なんで日本に敵対する国の国籍を持つ子ども達が学ぶ、それを信条とした教育機関に対して日本国民の税金を使って無償化しなくてはならないのか、という意見が大きな声で主張される傾向の中でこの判決は、日本の行政に対してその政策が間違っているという判定になっているからだ。
 日本の裁判所について私は今までほとんどその内実を知らなかったけれど、最高裁判所の判事に全く司法の世界に縁がなかった人が時の行政によって任命されている状況を見ていて、違和感を持っていた。それでは三権は分立していないではないか、と疑問だった。確かに最高裁の判決、これがもっとも権威を持つのは間違いない、にはほとんど驚くものは見当たらない。

裁判所の正体:法服を着た役人たち

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絶望の裁判所 (講談社現代新書)

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 こうした本を読んだら、驚く人はとても多いだろう。それほど裁判所の世界について私たちはほとんどその内実を知らないといって良いだろうと思う。それから考えても、大阪地裁の西田裁判長の判決は大きな驚きを呼ぶだろうが、彼はこの場に長く居続けることができるとは思えない。高裁では確実にこの判決はひっくり返されてしまうことが予想される。日本の裁判所は、決して政府政策に抗する結果を生み出すとは思えない。
 日本は外国人に対して非常に冷たい。税金はしっかりと徴収するけれど、ケアに関してはあくまでも排外主義を貫く。しかも始末に悪いことに国民の多くはそのどこが悪いのか、と真面目に思っている。
 だから、この国に外国人労働力をなし崩しに、裏口から入れるのは甚だ問題がある。にもかかわらずやってくる外国人は跡を絶たない。

追記

 4年前、袴田事件の当時の袴田巌受刑囚は45年以上拘置所にいて、精神的に異常な状態に陥っていたので、姉が後見人として認めて欲しいと訴えを起こしたが、裁判所は鑑定人を送ったものの、本人が面会を拒否した。姉は房内での鑑定を申請したが、拘置所はこれを拒否、裁判所はこの訴えを棄却した。「できないんだったらしょうがないんじゃないですか?」とでもいっていたのかという想像がつきそうだ。
 この時に東京地裁で担当した小西洋(当時の)家事審判官は、今月20日広島地裁が、「国が朝鮮学校を高校無償化の適用対象から外したのは違法として、広島朝鮮学校の運営法人「広島朝鮮学園」と卒業生らが処分取り消しや在学中の受給相当額に当たる計5600万円の損害賠償などを国に求めた訴訟の判決で、原告側の全面敗訴を言い渡した」広島地裁の裁判長その人だった。
 これが裁判所の真実なのだ。