この区に暮らしてもう44年経つんだけれど、行ったことがない地域ってのは結構あるもの。ヴォイストレーニング・歌の会でご一緒している方が参加しているフォルクローレグループがフェスタという名前の演奏会に出るというので、全く行ったことがない区の施設に行った。150席くらいを作ることができる移動式座席を持ち、ステージが昇降するホールがある。こんなスペースがあるとは驚いた。
出演するのは7-8グループで、その出演者の皆さんで会場はほとんど一杯。つまり全く出演しない人はほとんどいないらしい。人前で演奏し慣れているグループもいるし、みんなで合奏を必死にする人たちもいるし、様々な経歴と様々な実力を持ったグループが、つまみや酒を持ち込んでとても楽しそうだった。
しかし、日本人は何でもかんでも精力的に吸収するんだなぁ。チャランゴ、ケーナ、サンポーニャ、ギター、ボンボなんて楽器をみんな普通に駆使して合奏している。若いときからこんな楽器を演奏していたわけではなさそうで、いくつかのグループは区の企画の入門コースみたいなところから派生しているらしくて、そういうところはわがヴォイトレグループと同じようだ。しかもそれぞれ、皆さん、それらしいコスチュームに身を包んでいて、なるほど、その凝り方が凄いなぁ。
例えば、フラメンコだって、教えてくれる教室がもっとも世界で多いのは日本だというしね。昔からブルー・グラスも、ハワイアンも日本人の中には本場に負けない連中だって出てきている。チターだって弾く人が日本人の中にもいるし、アルペン・ホルンだって、日本人が本場に負けないほど巧い人だっている。日本人の吸収力というのはほとんど底なしだ。
ブラス・バンドなんぞに至っては、今やブラバン人口は多分これまでで最も多くなっているのではないだろうか。吹奏楽コンクールの優秀グループの演奏なんかをラジオで聴いたりすると、驚くほど巧い。しかも、小学生から立派に吹き倒す！しかし、エディンバラのタトゥーを見ると、スイスのドラミングなんかはそれをはるかに超える。これは比較するべき対象ではないだろうけど。日本人はそこそこ器用だよねぇ。ほとんどの大学に必ずブラバンがあり、マーチングをし、みんな毎日真面目に練習をしてきてあっというまに上達する。東京消防庁にだって、警視庁にだって、自衛隊にだって、超一流のブラス・バンドがあるし、各宗教団体だってマーチング・バンドを誇っているもの。凄いマーケットだよね！
