ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

店終い

 イタリアンの店のシャッターに「2月15日で閉店しました」と張り紙がしてある。ここには立派なピザ窯がしつらえてあって、実は今の店はその窯も含めて居抜きで始めた店だった。最初にここに店ができた時は、友人のひとりが連れてきてくれた。経営者が知り合いだから、これからも使ってくれというお披露目のようにして。ところが、二回目に足を踏み入れる前に、経営が代替わりしてしまっていた。それがここへ来て閉店だという。
 昔から、その場所はいくらやっても商売が上手く行かないと云うところがある。うちの近所に小さなカウンターだけの中華そば屋があった。中華料理屋というほどではない、中華そば屋だった。おじさんがひとりでやっていた。夜になると、タクシーが止まって食べていたようだったからコストパフォーマンスが高かったんだろう。ところがおじさんが時々臨時休業するようになると、昼間は全然人が来ない。アテにならないからだろう。そのうちすっかり人が入らなくなって、辞めてしまった。おじさんの体調が悪くなったみたいだった。その後、しばらく経って東欧のどこかの国の料理を標榜する店が居抜きでできた。なじみのないロシアと東欧が混ざったような料理らしい。あっという間に閉店になった。カウンターのまま模様替えして、今度はイタリアンの店になった。手軽なイタリアン、というやつか。これがまたダメだった。半年くらいだろうか。間口が狭くて奥が見えない店は足が向かない。というより、そこはランチ場所を探す勤め人が来るようなところじゃなかった。そういうところでは気軽な店をやっても、絶対的に通りかかる人がいなさすぎる。しかし、食べ物屋さんをやりたがる人はひきも切らないんだねぇ。