ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

それでどうするのか

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NHKプラスで視聴可能 再放送:NHK-ETV 7月24日(木) 午前0:00〜午前1:00)

 これを見ているうちに、こりゃ日本の橙色が狙っているまさにそれだなと思うようになった。


 RUST BELTがかつての繁栄を謳歌していたとき、米国の製造業はまさに慢心のただ中にあった。
できるだけ設備投資に金を注ぎ込まず、レイ・オフのできる労働者とそうでない労働者の間の確執を生み出して、それを利用して人件費を低く抑えてきた。その間、日本やドイツ、そしてその後からインド、韓国がどんどん重厚産業に設備投資をして、米国内産業を凌駕してきた。結果、鉄鋼にしてもその他の産業素材製造業は輸入に頼ればよいのだというグローバリスムに雪崩を打った。一方国内で多くの利益を生み出す企業の中心は金融工学なんぞというジャンルの学問が生み出す虚業での稼ぎに偏ってきた。結果なにが起きたかといったら、デスクワークが生み出す巨万の富だった。


 置いてきぼりを食ったのは労働現場で汗水を垂らしてきた労働者、第一次産業の労働者たちだ。どんどん雇用市場は狭くなってきた。ホームレスは増えるけれど、目立たないところに追いやられていくから、極端な富裕層には見えていないし、政治の担当者にも見えていない。


 農業や漁業の現場にはどうしても人間の手を動かしてするしか方法のない種類の労働が残る。そのうちロボットが開発されるのかも知れないけれど、均一化されない現場で、微妙なタッチが要求される労働現場では白人や高レベルの教育を受けた人たちは従事するとは思えない。ほとんどが中南米や東南アジアからやってきた労働者によって支えられている。陸伝いでやってくることができる中南米出身者の中には正規の滞在許可、労働許可を持っていないものも少なからず、というよりもかなり多く存在する。彼らを訃報だといって排除すると、現場は動かなくなり、出荷時期を迎えても腐るに任せざるを得ないということになる。


 結果、誰が得をするのか、誰が損をするのか。

 結局、ファシズム政権が、あたかもこれまで見捨てられていた人たちを「GREAT AGAIN」というスローガンで救うといっていたはずなのに、ただ、物価が上がっていくという市場が到来するだけで、なにも変わらないのではないだろうか。ふと気がつくと、あの政権の発足日に式典の会場にいたのは、その桁違いに富を握った連中だったじゃないか。なん十億円という金を使って結婚パーティーを繰り広げるような連中だ。結局彼らはもっとそれ以上に金を集めるために、これまで見捨てられてきた人たちになんの保証もない「夢」を見せることで現実を忘れさせているだけなのだ。つまり、MAGAは現実逃避の麻薬となんの変わりもない。


 多分、橙色大日本帝國党も規模としては誠にいじましいほどの小さなものでしかないけれど、これと同じ現実逃避の「麻薬」なのだ。