ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

全然真面目じゃないね

 昨日から今朝に掛けて報じられているニュースを聴いていてこいつら真面目じゃないなぁと思うことがいくつかある。
日本漢字能力検定協会の大久保昇:「マスコミが大仰に報道するから信頼を失う状況になってしまった」と発言している。テレビで彼のこの発言を放映されているのに、新聞にはこの発言がそれ程忠実に再録されていない様に思う。「私どもは、15日にお答えすると言ったのに、その前に色々な報道がなされて驚いた」といういい訳なんかはもう論外である。
 彼はもう73歳である。彼の3時間に及ぶ記者会見のニュースを見ていてどうもこの雰囲気はどこかで見たことがあると思ったのは、例の船場吉兆の湯木佐知子社長の事だった。彼女は当時71歳。事の本質を真摯に受け取ることができないで、表面面だけどうにかすれば嵐は通り過ぎるだろうと思っている姿が丸見えだ。
 公益法人にしたらもっと儲かるぞ、面倒な足かせなんてどうにでもなると思ってここまでやって来た姿が浮き彫りだ。世間に名前の知られた人を評議委員にしていても殆ど機能していなかった評議会も「名前だけ貸していただいたらもう充分ですから」とでもいっていたんじゃないかという雰囲気を彷彿とさせる。今回の事態を文科省の立ち入りだけで通り過ぎることができるのだろうか。
 「南禅寺の(漢字)資料館については、南禅寺という土地柄が漢字文化に触れる絶好の場所ということで購入したが、漢字文物の収集も困難なことから、本格的な資料館としての運営には至っていない。従って新たな公益事業のため売却したいと思っている(MSN産経ニュース2009.4.15 18:25)」には笑ってしまった。中に入れるものは集まらないけれど、とにかく器を手に入れた、それも6億円を上回るけれど、というのだから。
 「現在、280万人を超える受検生がいる。平たくいえば大所帯なので、私どもが全部退任すると混乱が起きるのではと懸念し、理事会、評議員会において理事、評議員の方々から多数そういう意見が出た。私もよく考えると、ここで一気に退任するのは無責任だと思い、理事評議員の先生方の意見を尊重させていだいた。しかしここで新しい理事長の下で新しい活動をされることでいいのではないか。ただ責任もあるので、新理事長を応援するために、役職に就かなくても新理事長をサポートする気持ちには一切代わりはない(同上)」という認識を聴いては呆れるばかり。大変に大きな間違いをしておられるのは、280万人の受検生は会員でも、所属する学生でもなんでもなくて、受検してくれなくなったらすぐにでも「ゼロ」になる。誰もが彼は「一気に退任する」べきだと思っていることだろう。もうこれだけシステムとして成り立っていたら誰が運営してもやっていけるようでなくては意味がなく、本来公益法人として成立した時点でそうでなくてはならないはずだ。
 調査委員会の結論を全く無視して結論を出すというのではまったく時間稼ぎでしかなかったということは明白だ。
 漢字検定としてはこの公益法人が独占的に実施する権益を保障されているのだろうか。他に同様な機関が設立されることは許されないのだろうか。

 もうひとつは例の「厚生年金の給付水準所得代替率)は50%を下回る可能性」の問題。
 厚生労働省が「国民年金保険料の納付率が、実績値に近い65%で推移した場合、政府・与党が公約する「現役世代の5割確保」は達成できなくなる可能性がある」と試算したという問題である。
 これまで「2038年度以降、給付水準は50.1%に固定される」といっていた根拠が現実的ではない納付率80%が前提だったからだという。まだこんなのほほんとした議論をしていたのかと愕然とする。しかも舛添要一民主党・山ノ井質問に答えて「今度の納付率については神のみぞ知る」と発言する始末だ。
 この話は小泉が「この年金は百年持つ!」と馬鹿発言した、あの時点の状況そのままだというのだから、自民党公明党も国民を愚弄しているとしかいいようがない。本来的にこの国民年金という制度は一定年齢以上の市民全員の皆保険システムであるという点を全く無視した議論をしていることになる。自民党が得意とするところの「現実的」議論なんだとすると、このシステムをそのままにしているという大前提が既に間違えているということだ。
 支払うべき市民のたった65%しか支払わないシステムが破綻しないわけがない。やらないのだから強制的なシステムを構築するしかない。税負担方式にするしかない。さもなければ民間保険に頼るしかなくなり、益々格差は拡大していく社会を構築することになる。与党の一角を担っている公明党は、既得権を主張する「持っている人間」が支持母体だとでも思っているのだろうか。そんなに創価学会は変わったのだろうか。そんなに政権与党にとどまることが彼らにとって重要だということなのだろうか。あるいはこれほどのスタンスにいても長老が支持するんだといったら支持するという単純な構造になっている、ということなのか。

 麹町の建築現場の事故で担当していた基礎工事会社のお偉いさん(専務)は事故当日の記者会見でふんぞり返って「自慢じゃないが、安全に関しては徹底していたんだ」と見得を切った。どうやらオペレーターの操作ミスのようだが、今度はどう発言するのだろうか。