ついこの前までは、わざわざそんな話をしなくたって、いつでも思い出せていたはずのことが今となってはまったく思い出せなくなっていて驚くということがここの所、ずいぶんな数に上ってきそうである。
昨日のことだけれど、随分古いお笑い番組をテレビでやっていた。三代目三遊亭圓歌(「山のあぁな、あぁな・・」とやっていた歌奴である)がまだ東京落語協会の常任理事だといっていたから25年ほど前の話かも知れない。そうそう、彼がいうには小学校の頃に彼を迎えに来る同級生が吃音を持っていて、彼の真似をしているうちに自分が吃音者になってしまったのだけれど、その男とは後年の小川宏だというのだから驚くじゃないか。
春日三球・照代がトリでゲストが営団地下鉄の当時の総裁だというのだから1980年前後のことかも知れない。
どうやら鉄道特集みたいなことになっていたのかも知れなくて、それで圓歌と三球・照代だったんだろう。自動販売機の話になって、そういえば最初の自動販売機というのは、決まり切った金額を入れて取っ手を持って下へガッチャンと押すと一枚の堅い切符がぽとんと出てくるというものだった。
私が初めてこの券売機を操作したのは多分東横線の反町の駅でのことだったと思う。しかし、実はこのタイプの券売機にはその後池袋の東横百貨店(後に東武百貨店に吸収)にあった名画座の入り口に切符販売機として使われていたのを覚えている。当時の映画館としては相当に珍しかったのではないだろうか。
それからお金を入れて、必要な金額のボタンに電気がついたら、自分の買いたい金額のボタンを押すという画期的なものができたのだと思う。今や地下鉄もJRも殆どがタッチパネル式の自動券売機があるけれど、地下鉄には金を入れて電気がつかないと買えないものとタッチパネルのものと混在しているけれど、いつも使っている人たちにとっては別になんということもないのだけれど、例えば外国人やお年寄りにとってははなはだ不親切な状況だなぁといつも思ってみている。迷っている方がおられると急いでいない限りは声をかけるけれど、あれはわかりにくい。
きっと地下鉄博物館あたりに行くとこんな代々の自動券売機を展示してあるんだろうか。
その前のなんでも窓口で切符を買うわけで、何種類もの金額を印刷した切符のディスペンサーとでもいうべきものに囲まれていて、それを即座にピッと抜いて、日付印を押す機械にかっしゃんと通して、こっちにすぅ〜っと滑らせてよこすのが格好良いなぁと思っていた。
それでも三球がいうように、昔の駅員というのはみんな無愛想で、なんだか「一般庶民は相手にせず」とでも云っているような雰囲気で、それが当たり前だと思っていたような気がする。だから、国鉄が民営化してすぐはとても駅員が愛想が良くなってびっくりした。