ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

お誘いあり

 朝、なってもセールスの電話くらいだなという時間に電話が鳴って出ると、なんと今帰国中のサンフランシスコのピアニストだった。昼飯一緒にしない?というお誘いだったから即座に乗る。彼は夜は当然仕事だからお逢いできないからこんなチャンスは逃せない。彼が帰ってこないとお逢いするチャンスのない方がご一緒で本当に嬉しい再開になった。合流場所はもちろん京橋の「京すし」で、またまた美味しい握りを戴いてしまった。本当のことをいうと毎日だってここの鮨だったら食べられちゃう。ゆっくりお話をお伺いしながら頂いた。
 かつてはバンドの転換に回り舞台に前後にセッティングしてそれが演奏しながら廻って次のバンドが登場したという話になった。
 あ、いや、その話に行く前に小唄のおさらい会では上手と下手に幕があって、交代でそこにセッティングして効率よくいくんだという話からそこに来た。
 今はなき銀座ACBのステージも回るステージで前後にセッティングしていたなぁ、客席には一番前に池があったし、というと、ピアニスト from San Franciscoがかつてステージがエレベーターみたいになっていて、1階で演奏したらそのステージがそのまま上に上がっていって2階のお客さんに向かって演奏するというのがあったんだよ、それは3階まであってね「夜来香」というんだという。そりゃ凄い発想だったなぁと。すると「京すし」の旦那が「夜来香」が新橋にあったのは知ってるよ、中華の店に間違えられたという。
 そりゃ初耳だ。一体いつまであったのかとネットで検索してみると、新橋の中華料理屋・新橋亭が1951年に開いた店だと判明。前年に山口淑子の唄がヒットしている。しかし、いつ止めたのかが判明しない。でもこれでひとつ拾えた。
 後ろ髪を引かれながらお店を辞して、ブックセンターへ。「冬の京都」とガイドブックを一冊入手。来年の準備に入る。
 山野楽器に。地下に降りて見ると、あるある。Susan Boyleが平積みだ。日本盤は2,800円。「翼をください」が入っていない輸入盤は確かここの店では1,890円だっただろうか。あの一曲でこんなに価格が違うの!?ちょっとどうかなぁ。Amazonでも日本盤は2,800円だけれど米国盤は1,667円で英国盤が1,733円である。あのかわいらしく変貌したSusan Boyleのジャケットはないけれど、iTunes Store Japanで買うと1,500円で、こちらにはちゃんと「翼をください(英題:Wings to Fly)が入っているのである。Amazon USAではCDがUS$9.99で、MP3で落とすとUS$10.99と高い。
 どうしようかなぁと逡巡しながら「Wings to Fly」を視聴ヘッドフォーンで聴いている間になんと3枚売れていった。買っていったのは私よりも歳上と覚しきおばさんふたり組である。恐るべし!Susan Boyle!私はずっと逡巡。
 西に向かうと新築中のヤマハのビルの外観が明らかになっていた。こりゃ凄い。あたかもブランドやさんのビルのようだ。隣のH&Vの建物が明らかに気後れしていると私は見た。こりゃ派手だ。あの吹き抜けの雰囲気はもうきっと、なんの関係もございませんということになるんだろうなぁ。
 新橋まで歩いて、途中で「ギンザのサエグサ」の看板を撮る。なるほど、1869年創業と書いてある。そりゃ古い。福家書店も良くこれでやっていけるもんだなぁと感心する。東芝ビルにあった旭屋がまだ絶好調だった頃、ここも絶好調だったけれど、今や心配してしまう。それくらいこの辺に本屋に足を運ぶ人が少ないということなんだろうなぁ。ギンザの中央通りには大小取り混ぜて少なくとも三軒の書店があるんだろうと思うけれど、多分どこも苦労しているのではないだろうか。なにしろ昔は夕方になれば本屋は待ち合わせの人たちでごった返していたといっても良かったのではないかと思う。
 博品館の前に久しぶりにやってきたのだけれど、ここはもうすっかり外国人観光客の定番スポットになっているらしく、活発に人が出入りしている。あそこまで行ったんだから「夜来香」の跡地を探りに行ったら良かったという気がするけれど、実はこの時点ではまだ「新橋亭」の経営だったとは知らない。
 新橋から銀座線に乗って日本橋へ逆戻りする。用事が丸善にあったからだ。その用事というのは四代目江戸家猫八が今度出版するという本を予約するということ。そうすると20日(日)に丸善で開かれる四代目のサインがもらえるということになっているんだそうだ。さて、用事が終わって今度は上から下まで行ったり来たり。挙げ句の果てにこちらから見た高島屋の中が面白かったので、そんな写真まで撮る。なんだか現実を引きつけるのがなんだかいやで、非日常に絡んだ本ばかり探す。そして見つからない。
 ところが地下の文具売り場では次々に見付けてしまった。あのギンザ伊東屋でも東急ハンズ銀座の文具売り場でも見付けられなかったものをなんと二点発見。
 ひとつは例のプラチナが売っている210円の万年筆preppyである。そしてここでは文句なく、全色の0.3mmも0.5mmもずらっと勢揃い。きちんと仕入れているというのか、誰も興味を示さないで忘れられている、っていうんだろうか。もちろんカートリッジの替えもあって、これが2本セットで100円。振ると例の金属ボールが中でカタンカタンと動く。するとこのカートリッジが1本50円という計算になる。当然、万年筆本体にはこれが1本入っているわけで、そうするとこの本体だけで計算すると1本がわずかに160円だということになるわけだ。ふ〜ん。
 もうひとつはLIFEの(誰がどうしてこの色でOKを出したのだろうか)noble noteの方眼紙の真ん中の二つのサイズA-5とB-6である。これも銀座伊東屋さん、東急ハンズ銀座さんにもなかったものなのだ。ここに来て日本橋丸善さんの株は僕の中では一気にあがったなぁ。