ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩

 風は強いのだけれど温度はあれよあれよと上がっていく。こんな天気に散歩に行かないのかという声が響き渡るような気がして来たから入谷の石窯パンに美味しいパンを買いにでも行くかとうちを出る。どうせならどこかで天丼を食いたいなぁと思ったら、同じ金美館通りに土手の伊勢屋の姉妹店というのがあるよという声があったので、取り敢えずそこで昼飯かというつもりに。そういえばこの地域であまり天ぷら屋というのを聴かない。国際通りの向こうに「がんこや」という天ぷら屋もあるよという声も聴くけれど天ぷらと鰻と書いてあるのが気に入らない。昔の田舎の街道の交差点にぽつんと一軒建っている食堂じゃないんだからと。そういえばかつて小田原あたりでそんなお店があったっけなぁ。
 蕎麦屋の横にある「いせや」は小さいお店で結構時間が経っている。ごま油の匂いが香ばしくって腹が減る。入ってすぐのL字型のカウンターは8席ぐらいあったようだけれど、奥の方は今やお重置き場になっていて6席分ぐらいが利用できそう。奥に座敷があって4人用座卓が三つ。その横にテーブルがひとつある。座敷は二つに客がいて、そのうちのひと組は女性ふたりで、テーブルにいる男性4人とグループのようである。カウンターの方には親子と覚しき男女四人。午後2時過ぎだったのに、今を佳境に忙しい最中のようで、じっくり観察する余裕があった。どなたが描いたものか知らないが、土手のけとばし屋と伊勢屋の絵が昨年はカレンダーになったらしく、そのカレンダーの部分がどこかの銀行のカレンダーから切り取ってあって、はっつけてある。
 天丼を運んで下さった二代目と覚しき青年が「お待たせしました」といってくれて心和む。ただ「天丼」と頼んだので、いただいたのは15時までのランチ天丼980円。小さい海老が二本、イカかき揚げ、キスが一本。ネタが小さいからだろうか、ちょっと揚げすぎだけれど、他の人がなんというか知らないが、私の好きな甘めの天つゆ。もうちょっと大きなネタを食べたい。
 石窯パンは一段落しちゃっていたらしく、堅い重いパンは殆どなくて、買えたのはあんまり重いパンじゃない。ここのお店は若い人が多くて気持ちが良いのだけれど、何故かキャッシャーグループの声は大きいんだけれど、何となく「流れ作業がこんなに早いのは凄いでしょ」ニュアンスがあって、なんだか人と人とが商品を介して繋がるという感覚がない。コンビニのお兄ちゃんが言葉はいっているんだけれで、その実はあんたとは別にコミュニケートなんてしたくないから、という匂いをぷんぷんさせているのと同じかもしれない。
 ひょっとして黄砂が飛んでいるんじゃないかというほどに風が吹いているのに視界が開けていない。