ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

この歳になると

 うちは結婚してもう40年目になる。あれからもうこんなに長い時間が経ったのかと改めて振り返ると、あっという間だ。なんだか何もまともなことをしないうちにこんなに時間が経ってしまったかと思うようだが、それは多分多くのことを忘れてきてしまったからだろう。覚えている以上にたくさんのことが起きていたのだろう。
 昨夜は10時頃にはもう寝入ってしまった。直ぐに地震が来て目が覚めたのだけれど、大したことがないとわかったらまたすぐねてしまった。すると、いつものように夜中に目が覚める。今夜は頑張って寝ていようと思ったのに、1時間ほど蒲団の中で我慢していたのに、とうとう我慢しきれなくて起きだしてコーヒーを淹れる。そうすると必然的にテレビのスイッチに手が行く。当然面白いものはやっていない。CSのチャンネルをいじっていると、Movie+で何か映画をやっている。ざわついた映画ではない。
 ちょっと見始めて直ぐにわかったのは結婚して45年目の夫婦の奥さんアルツハイマーの症状が出てきて、自分から施設に入るという。夫は元大学教師。経済的には困っていないようだ。子どもが出てこないからこの夫婦に子どもはいないらしい。
 施設は一ヶ月間はどんな近親の家族も面会を許していないという。なぜかと思ったら職員にとって煩わしいことが必ず起きるからだと、看護師の一人が打ち明ける。一ヶ月後に行ってみると、妻の症状は進んでいて、夫を認識できない。代わりに入所患者の男性の面倒を見続けている。どんどん夫を認識できなくなり、煩わしくなる。完全に妻は夫と関係のないひとりの人間になって行ってる。
 この辺から夫がそれほど親しくない女性の家で話す場面が入ってくる。あとでわかるのだけれど、それは妻が施設で面倒をみている男性の妻だった。
 その看護師が夫に話す。「男性は殆どの人が良い人生だったというが、女性はそうじゃない」と。

 映画は2006年カナダ製作「Away From Her」