ほぼ足りてまだ欲 その先

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ビルの隙間

f:id:nsw2072:20181030174700j:plain:w360:left 16年前には南西の景観は大きく広がっていて、新宿方面には富士山も見えていたのが、途中のどこかにビルが建つことによって、稜線しか見えなくなってきていた。それがすぐその先に14階建ての集合住宅が建ってしまって、とうとうそれも見えなくなってしまった。真南方向にはなんと37階建ての集合住宅が建ってしまって冬の午後2時頃から4時頃まではお陽様が差し込まなくなって、猫たちはひっくり返っていた場所にを失った。
 もっともこの集合住宅が建ったときに、北東側の人たちは皆さん、その景観を失ったわけで、文句をいえる立場じゃない。
 都会に人は集まり続けており、どんどん集合住宅が建つ。その一方地方から人はどんどん出て行ってしまい、空き家がどんどん増えていく。売るにも買う人はいないから金にもならない。じゃ、人に譲るというマーケットを作ったらどうかといったところで、そこには仕事がないから人が出て行っているわけで、余程リモート地域で成り立つ仕事を確立している人でないと、需要がない。
 政府は地方創生といっているけれど、そんなのはいつもの口先だけのことで真剣にやるつもりはない。その証拠に担当大臣があの片山さつきである。自分が永久にエリートだと思っている片山さつきは実態を自分の目で確かめる気なんてさらさらない。
 日本はこれから人口はどんどん減っていく。それがわかっているのに、都会にはどんどん集合住宅が建設されてきた。住宅産業は新築で稼ぐ。つまりどんどん都会に集住する方向に物事は動いていく。都会にも古くなった集合住宅が増える。しかし、誰もこれを建て直すなんて力はない。デベロッパーは余程の場所でないと手を出さない。古くなった集合住宅もその醜態をさらしていくことになる。ポロポロと空室ができてきてしまうと、建物全部のコンセンサスを得ることが至難の業となって、いつまでもその醜態をさらし続けることになる。金持ちはどんどん新しい物件に引っ越し続ければ良いかもしれないが、もう金の続かない人たちはその場所を終の棲家とするしかない。
 これでスラム化を防止することはなかなか難しい。つまり、このままでは日本は全国的に空き家列島になってしまう可能性が高い。
 どうするのか。行政が音頭をとるしかない。それを見越した行政を作るしかない。それは地方自治体単独でできるかといえば、多分無理だろう。国が先を見越した政策作りに真剣に着手する以外に方法はない。現自民党政権がそれをやるだろうか。やるわけがない。なぜか。それは地道な努力、調査し、将来的全体像を国民というより市民の立場に立って構築していくしかない。それを霞ヶ関がやるかといったら、やらない。点数にならないからだ。自民党がやるかといったら、やらない。票田にならないからだ。彼らは必ず大企業経営者が儲かる要素がなければ、取り組まないし、長期にわたる調査では票は稼げない。かつての自民党は中小企業の票、地方農漁業の票を意識していたが、今はもう考えてもいない。まだそのつもりでいるかつての票を持っていた人たちは今でも心の大きな部分で、自民党なら悪いようにはしないだろうという期待を持ち続けているけれど、実は全くそんな期待に応えるつもりは今の自民党にはない。何しろ金にならないので票につながらない。
 ではどうするのか。彼らの手から政権を取り上げ、まともに将来を考える風土を取り返すことだ。真剣に国を再構築する手立てを考えることだ。