ほぼ足りてまだ欲 その先

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タイプライター

 先日、半世紀前の大学在学時の先輩と話をしていたら、彼女は大学4年の時にもうほとんど単位を取れていたので、大学では趣味的な科目をとるくらいで、学校の傍にあったタイピスト学校へ通ってタイプを打てるようになっていたのだそうだ。当時、女子学生の多くはその成績のいかんにかかわらず会社勤めは、男性社員のアシスタント的な役割しかさせてもらえていなかったから、タイプ一級です、というのは就職のための点数が高くなる資格のひとつだった。その証拠に彼女は外資の会社へ転職するときにそれが役に立ったそうだ。
 私は大学を出て就職した会社の職場がタイプ必修の職場で、配属されたその日に、ほぼ同年齢の女性から、かなり年季の入った銀座「クロサワ」の教則本を渡され、弁当を食べ終わった昼休みは毎日「ぽつん、ぽつん」と職場にあったBROTHERのポータブル・タイプライターを引っ張り出して練習をした。彼女はお金を払ってタイプライティングを勉強したのだけれど、私は給料を貰いながら習ったわけだ。おかげであっという間にブラインド・タッチでタイプライターを打てるようになり、あっという間にテレックスのテープをパンチングしていた。こんなことなら三ヶ月の研修期間に習得しておけ、といってくれればよかったのにね。

 その後の職場では確かシルバー・リードのタイプライターを買った。机の足下に立てておいて、必要の度に机の上にとりだしては原稿を打っていた。あのタイプライターはどこへ行ったんだろう。
 今の職場では皆さんどうしているんだろうか。ちょっと前までは、大学在学中にパソコンを使えるようになっているから打てるんだろうと思っていたが、近頃ではみんなスマホだからキーボードを打てない、という話も聞くが本当だろうか。
 キーボードといえば、フランス語圏のキーボードが英語圏のキーボードと一部の配列が異なるという、これもまた百回話のひとつである。

 ところで今時タイプライターを買う人はいないだろうなぁ。