ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

訃報

 社宅で一緒に育った子ども連中の中でも特に仲良く育った友達のおかあさんが先月95歳でなくなったんだというハガキが届いた。おとうさんはもうずいぶん前になくなり、私と同じ歳の長男も20数年前に死んだ。だから実家には、長男の嫁さんだけが残ったことになる。ハガキを書いてくれたのは次男だ。

 彼ら男兄弟は全く違う性格で、長男は子どもの頃は身体的能力にも優れて、どんどん外へ出て行くし、大学でも随分持てるタイプだった。私の高校の同級生とまで付き合っていたくらい発展家(古い言葉だ)だった。私と同じで、人前に出ることが好きだった。次男はというと、ふと気がつくと、うちの親父の書棚の前に座り込んで抜き出した本を黙って読んでいるような子どもだった。次男は中学から私立に行って、クラッシックギターを独学で弾き、大学では心理学を学んで、米国系の某研究所に入ってから、私立大学で教鞭を執っていた。一度結婚に失敗したけれど、再婚してから子どもが生まれた。
 このふたりはどちらかというとお父さん似で、歳を重ねてから逢うと、所々に親父さんの破片がぶら下がっていた。

 彼らのおかあさんはうちのおふくろを慕ってくれていた。というか、うちには昔暮らしていた社宅の奥さん連中の何人かがおふくろと遊んでくれていた。つい二・三日前に、「おばちゃん、どうしているかなぁ」といっていたところだった。

 お世話になりました。