ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

席を取る

 途中の駅から仲間が大挙して乗ってくるから、先に乗っていた爺さんだか、婆さんが周りの席にものを置いて、他の人が座れないようにしていたと、宮城県で話題になったんです。今だからとても違和感をもって捉えられ、若い人たちは「なんちゅうてめぇ勝手な爺婆だ!」とお怒りになるわけです。
 しかしねぇ、戦争が終わってから、そうさねぇ、10年程まではそれが日常茶飯事だったんでございますよ。先に乗っていたら友達の分も鞄を置いて「がぶちょ」していたんでございます。
 うちの両親の郷里は岡山でございました。当時四国から宇高連絡船宇野港に到着すると、宇野発の長距離列車急行「瀬戸」号がございましてねぇ。指定席なんていう概念は特別二等とか、二等車にしかございません。三等車は全部自由席でございますよ。横浜の家に帰ってくる時は、長丁場でございます。私と田舎の従兄弟が宇野まで先に行きまして、4人分の座席、つまりワンボックスを確保して岡山の駅まで乗ってきます。そこで姉たちが窓から乗ってきて無事従兄弟と交代するわけでした。
 そんな時代を戦ってきた爺婆ですから、なんでそんなことをするんだ?!といわれたって「何がいかんの?」と単純に思っているのに相違ないんでございます。その世代の人たちは、例えば空港でのチェックインの行列が二列あれば、あっちとこっちに部下を並ばせ、早い奴と自分が交代して自分のチェックインをするなんてことを平気でやりましたし、それをやらない奴は気が利かない奴だ、と平気で思っていたわけです。
 時代は変わったんです。爺婆は「あ、そうなんだ!」ときっと今頃気がついているのではないでしょうか。
 え、職場の宴会で、ちょっといやらしいこといって、わっと場を湧かせるのもダメなのか!?と驚いている、エッチオヤジはまだいることでしょう。もう、時代は変わっているんです。