ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

自炊本

 少しずつ雑誌を解体して自炊している。もうとっくに忘れていたことを思い出す良い機会になっている。昨日解体した月刊論座2004年10月号には巻頭記事に、医者の徳永進と先日現地でなくなった中村哲の対談が載っている。彼等はこの対談が初対面のようで、こういう場合、どの辺から打ち解けるんだろうか、掲載された対談以前にどのようなやりとりがあったんだろうかと想像してしまう。それぞれ、非常に特徴的な行動をしてきた二人なので、お互いを認知してはいるんだろうけれど。
 関係者の中では周知のことかも知れないけれど、そもそも日本の「らい予防法」という法律の成り立ちに驚いた。日露戦争の直後、ハンセン病の患者が英国大使館の前で行き倒れ、英国大使が「一等国になったといいながら、ライ患者を野放しするのか」と外圧をかけ、その法案ができて、隔離するようになったというのだ。そんなところから始まっていたのか。
 中村哲1984年に現地に行った時、パキスタン中でハンセン病にかかわる医者はわずかに三人に過ぎなかったのだという。今更ながら中村の話には目を瞠る。