ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

竹中平蔵

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朝早いラジオの番組はなかなか聞き応えがある番組がない、という話は前も書いた。
TBSは生島がまるで「痛散湯」の宣伝番組みたいな印象があるし、文化放送は「おはよう寺ちゃん」ってやつだが、いかにもフジ産経らしいそっち方面傾向。ニッポン放送は朝4時半から上柳昌彦の「あさぼらけ」で、エンタメ方面。
で、NHKはというとFMはクラッシックや邦楽でこれが一番。

NHK第一放送が最悪で、午前5時から「マイあさ」ってのが始まるんだけれど、これが朝6時40分になると、あのしたり顔野郎の三宅民夫がMCで出てきちゃう。

先週の金曜日、10月22日はこの三宅の時間に、中抜き稼ぎの筆頭、人材派遣最大手のパソナの取締役会長の竹中平蔵が電話で出てきて、訳知り顔に解説した。私はもちろんこんな番組を聴いているわけがないのだけれど、竹中がこんなところに出演していたという話を聴いて、NHKの「聴き逃し」で聴いた。放送後一週間は聴くことができる。

表題は「経済の現状と今議論すべきこと」

内閣府の月例経済報告では、持ち直しの動きが続いているがテンポが弱まっているとしている。
日本は失業率も2.8%低いし、倒産の数も増えていないけれどはっきりしない。
IMFの予測 世界的には成長率は5.9%といっている、ちょっと弱き。
日本は無理をしてだしてきているが、企業の債務が増えている。
企業が返せない借金を抱えていると銀行から見ると不良債権になる。
バランスシートの調整に注目が集まるだろう。

財政出動をうったえている 財源の確保。

日本は一番手厚く財政金融政策を行った国。
GDPの54%の金を出している。世界で最も高い。イタリアと並んで最も多い。

今もっとお金を遣おうという雰囲気になっている。
財源どうするんだ。
野放図に拡大して良いわけがない。
いわれているほど財政赤字は大きくない。
純債務はそれほど大きくない。
国債のかなりを日銀が持っている。
どこかで財政赤字は解消していかなくてはならない。
きちんと目途をつけていくことが必要。

格差が広がった、賃金が上がらない点。
賃金が上がってこなかったのは、生産性が上昇しないからだ。
生産性に見合って賃金というものは払われるもので、資本の生産性の方が高まっているので、労働分配率は世界中で下がっている。
日本の場合は規制が強くて生産性の高い方へ人が移動して生産性が高まるべきなのに、労働市場が硬直的で規制があって新しい市場に入っていけないことが最大の原因。
分配は必要だけれど、経済の活性化、成長改革なくして本来の分配はない。
これを明確にして、政策論議をするべきだ。
格差は世界中で拡大している。
新しいテクノロジーに先頭に立って入っていける人と、そうでない人は確実にいるので、20年以上それが続いて、そこで格差が広がってくる。
日本は拡大がそれほど拡がってはいない。

金融政策、米は11月にテイパリングを始めるだろう、金融を拡大してきたもののペースを弱める。経済成長6%、インフレが4%にもなっている。これ以上金融緩和は続けられない。
日本のゼロ・インフラとは違う。
日本はデフレ的な動きが続いている。
日本政府は金融政策を簡単に変えられない、米金融政策が為替レートに影響してくる。

第4次産業革命ビッグデータを使って人工知能を絡めて、新しい経済社会が生まれつつある。
こういう時、政府の役割が重要で、中国が強く見える。
新しい資本主義を議論するのは正しい、政府の役割と民間の役割を見直さなくてはならない。
新しい資本主義は大改革を意味していないとならない。

 結局彼のいっていることはこれまでの自公政権の方向性をそのまま進めていけといっているわけで、衆議院議員選挙の真っ最中に、この番組が自公政権の経済政策を宣伝していることになる。
しかも、彼を慶應義塾大学教授としてしか紹介していないわけで、これはマスコミによるミスリードというべきかと思う。
 なにしろ彼はパソナの会長の他にも「オリックス社外取締役SBIホールディングス社外取締役、森ビルアカデミーヒルズ理事長、日本経済研究センター研究顧問、外為どっとコム総合研究所主席研究理事、アドビ International Advisory Board メンバー、特定非営利活動法人万年野党アドバイザリーボードメンバー、一般社団法人外国人雇用協議会顧問、一般財団法人教育支援グローバル基金(BEYOND Tomorrow)アドバイザー、新生ホームサービス株式会社特別顧問、内閣日本経済再生本部産業競争力会議(民間)議員、内閣府国家戦略特別区域諮問会議(有識者)議員、RIZAPグループ経営諮問委員会委員、日本からヘイトをなくす会アドバイザー等を務める」とウィッキペディアに書かれているくらいであって、もはや単なる大学教授ではなく、自公をけしかけ自らが儲かる立場でしかない。

NHKははっきりと偏っている。偏っていると自らが宣言するなら話は別だ。