かつて台湾で仕事を受注しようとして、商社と一緒に台湾へ三度ほど出張したことがある。
1970年代後半だったか。
もちろん日中国交正常化の後だったから、パスポートも一次パスポートを出してもらって、大使館機能を果たしていた亜東関係協会なるところからビザを貰った。
たたき台になる見積もりをまとめるというのが目的だったのだけれど、ホテルに缶詰になって作業したり、現地でパートナーとなる可能性のある企業とミーティングをした。
週末にゴルフをやるか、という話になった。道具は借りれたとしても、しかし、そんな服装を持ってきていない。すると、道路っ端で売っているからと言われて適当にズボンを買った。ズボンったって裾がどうにもならないよ、といったら現地の人がすぐにやってくれるところがあるんだよといって、連れて行ってくれた。そんな状態でゴルフをやったんだから、ろくなことにはならないよね、というか、もともとゴルフうまくない。流石に名門クラブではなくて、その隣のゴルフ場でやったら、フォアキャディがついていた。しかし、それは少年の小遣い稼ぎらしくて、彼らにもバカにされる始末だった。なにも、そんなところでゴルフなんてやらなくてもと思ったけれど、上司がやたら乗り気だった。
台湾で仕事になったのはそれから数年後のことで、そのときには私はもうすでに全く違う仕事をやっていた。世の中、うまくは回らないのよ。
