ほぼ足りてまだ欲 その先

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志ん朝


 これは文庫版だけれど、私が図書館で発見(大げさ)したのは2006年に文藝春秋から出た単行本。今まで知らなかった、というよりも今まであんまりこの手の本を積極的に手にしてこなかった。今年の10月で志ん朝が死んでから満25年になる。あっという間の25年だったという気がする。わたしは仕事をやめて、学生になっていた。友人から電話がかかってきて「死んじゃったよぅ!」といわれて知った。

 一度だけだけれど、私は志ん朝を生で聴きながら寝ちゃったことがある。いつのことだったかもう忘れちゃったけれど、あれは国立演芸場のことで多分「国立名人会」かなんかだったんだろう。当然お客は目一杯入っていて、私はもうずいぶん後ろの方に座っていたような記憶がある。それでなぜか、途中から寝たんである。安心したのか、心地よかったからなのか、未だにわたしが後悔し続けることのひとつだ。

 云うまでもないけれど、あんなに華のあった噺家はいないよなぁ。いろいろ思いを巡らしてみても思い当たらない。私が高校生だった頃の志ん朝はというと、若くて格好良くて、本人もそれを意識していて、ブンブンいわしていたわけで、今から考えると、鼻持ちのならない親の七光りだったんだろうけれど、もう全く文句がないものなぁ。NHKの若い季節なんぞに出てきて、そのへんのぽっと出の若手タレントなんて足元にも及ばなかった。三木のり平と一緒の舞台を見ておきたかったなぁ。あぁ、もったいなかったなぁ。



 ふと気がついたんだけれど、うちには柳家小三治の音源がまったくない。あの人の枕は本当に面白いのにね。どういうことだろう。