ほぼ足りてまだ欲 その先

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映画「オーストラリア」

 ニコール・キッドマンヒュー・ジャックマン主演「オーストラリア」を見た。mixiで募集した試写会でニッショウホールで昼から。雨は大したことがないものの風が強く、虎ノ門の駅から次から次に歩いてくる人たちは傘をすぼめ、あるいはビニール傘を逆さまにしたりしながらやってくる。こうしたホールでの試写会はスクリーンが小さいのでできるだけ前に席を取らなきゃならない。上映時間の頃には会場の四隅を残してほぼ一杯になっていた。
 上映前のアナウンスがこの映画の上映時間が2時間45分だと告げると会場のあちこちから「え〜っ!」という声が上がる。この映画は長いんだということを知らないで見に来ている人たちがそれだけいるということで、私はむしろそっちに驚いた。
 映画は2時間45分を意識させないほどの展開で、大変に面白かった。この映画はもちろんフィクションであり、時代背景についてどこまでが事実だったのかは私だけでなくてこの映画を見た人たちは様々に思うものらしく、ネット上で検索すると1939年にアメリカで公開されたジュディ・ガーランドの「オズの魔法使い」の中の「Over The Rainbow」がすでに名曲集の中に載っていただろうか、とか1942年の豪州であの映画がダーウィンで上映されていただろうかとか、アボリジニーがこんなしゃべり方をしただろうか、とか語っている人たちがいる。
 私もあの日本軍の最初の爆撃で攻撃された島があったのか、そしてそこにアボリジニーの子どもたちが隔離されていたのだろうか、日本軍は上陸したのだろうかと疑問を持った。実際にはDarwinの沖、80kmのところにBathurst Islandがあり、そこには確かにアボリジニを収容した教会施設があって確かに無線機に向かって神父は日本海軍機の攻撃をmainlandに発信したのだそうだ。しかし、日本軍が上陸したという事実については知らない。
 どこかの新聞の評ではないが、豪州版「風と共に去りぬ」だといっても良いかも知れない。劇場公開は2月28日からだそうで、新聞にも、地下鉄の掲示板にも広告が張り巡らされている。
 かなり終わりに近づいた頃に流れた「ウォルティング・マチルダ」の旋律がとっても暖かく私の心に響いていたのは一体どんな案配によるものだったのだろう。
 Ending Rollはとても面白いもので、出演者は全員アルファベット順で紹介され、そこにElton Johnの歌が流れる。
 アボリジニーの子どもたちに対する隔離政策はこの映画では状況が良くわかっていないと理解できないかも知れないけれど、以前の映画「裸足の1500マイル(Rabbit Proof Fence)」の方が良くわかったことだろう。実は豪州では彼らアボリジニーに対する「lost generation」問題もさることながら、第二次世界大戦後の英国からあたかも子ども移民のようにして連れてこられてしまった人たちの問題もあったことも忘れてはならない事件である。

 帰宅後夕飯担当をし、食事が終わるとすっかり眠くなり、2時間半寝てしまった。良く出てくる電車の駅でかつての職場の先輩同僚三人に出会い、互いに元気のない顔しているけれどどうだい?と声を掛ける、そんな夢で目が覚めた。