ほぼ足りてまだ欲 その先

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悲しいかな

 中学一年生から電車通学をした。小学校6年生の一年間はバス通学だったので、多分そんな余裕はなかったのだろうと思うが乗り物の中で本を読んだ記憶がない。しかし、中学一年の時には学校の図書室から本を借りだして通学の電車の中で読んでいた記憶がある。中学二年の春に転校してからもずっと電車通学だが、どんどんその距離は伸びて、大学へ行く頃は片道1時間半を通学に費やしていた。その間かなり本を読む時間があった。英語の勉強も続けていて、その宿題の暗記はほとんど電車の中でこなしていた。それで良く本を読む時間があったものだと不思議なのだけれど、学校の図書室の貸し出しカードが二枚目になったことがあったくらいだから、かなり読んだのだろう。
 ところが悲しいことに当時読んだ本の中身はほとんど思い出せない。どういうことなのだろう。まるでHDDが一回壊れてしまって、新替したものだからデーターが全く残っていないかと思うほどだ。
 武者小路実篤の「友情」だってあんなに心酔したはずなのになんにも思い出せないでいる。漱石の「坊ちゃん」は多年にわたり何度も読んだ上に映画になったものまで見た記憶があるからどうやら思い出すことができる。それなのに、映画だったら一度しきゃ見ていないものばかりなのに思い出すことができる。それだけ映像の力は強いのか。今時日本史に詳しい若者に聴くと「マンガで覚えた」という返事が返ってきて驚かされるのはそういう点もあるかも知れないなぁ。