昔買っておいた黒服がいつの間にか（なんていってもわかっているんだけれど）ツンツルテンになって（成長したのではなくて、おなかが出てきただけ）、着られなくなってしまってどうしようと思って、今流行のスーツ量販店に行った。最近その店は古いスーツを一着持ってくれば2万円で下取りをするというのだ。昨年末にその特典を知って、さぁ、それじゃあ一着というので見に行った。
おなかは出てきたのに、寄る年波で筋肉がすっかり上半身から落ちてしまったものだからその前まで着ていたスーツサイズのAB-4だったものからB-4にしてみたら肩幅が広くて落ちてしまう。これじゃ借り物みたいだ。B-3というサイズはそういえばスーツの店で聞いたことがないぞと思っていたら、安いものならあることが発覚した。ところがこれを着てみると肩幅やら袖丈は良いのに、着丈が短い。どういうことかと思ったら今の若い人たちのジャケットは妙にぱっつんぱっつんでツンツルテンに見える。どうもその系統のデザインのよう。
しかし、このジャケットを着てためつすがめつしていると、店員の青年はどうも面白くなさそうで、しきりに「黒の色の深さが違う、素材が違う、さっきのメーカーのものを取り寄せることができる」とそれを勧めない。よく考えると、さっきのものは68,000円で、これはなんと38,000円なのだ。
以前この系列に来た時に対応してくれた女性店員はB-3サイズを試すことを勧めなかった。しかも、この安い方のジャケットは若向きだからと取り出しもしなかった。しかも彼女は買わずに帰る私に名刺を渡し、明日お待ちしていますといっていた。ひょっとすると彼らは歩合給かなんかじゃないだろうか。こういう客を扱っても多分儲からないんだろうなぁ。
