ほぼ足りてまだ欲 その先

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鶴見俊輔伝

鶴見俊輔伝

鶴見俊輔伝

 著者の黒川創は1961年6月の生まれだから57歳。「思想の科学」のメンバーで、小説家、評論家。初めて彼の名前を知ったのは加藤典洋との共著で鶴見俊輔から聞き取った「日米交換船」を読んでからだった。「日米交換船」は非常に興味深い本で、当時の歴史を物語る側面史として私は非常に興味深く読んだ。で、そんなわけだから、そこから黒川創の名前をよく見るようになった。
 だから、この本を書店の店頭で見つけたときは、思わず小躍りした。そうか、もう鶴見俊輔に触れることはできないのかと思っていたら、こういうかたちでまた鶴見俊輔に、しかもその全人生に触れることができるのかとワクワクする。だから貪るように読み進めるのかといったら、なんだか勿体なくて、いち頁ごとに丁寧にめくる。のっけから、驚くことが次々に出てきて、全く進まない。椎名悦三郎の名前が出てくる。伊藤博文と祖父である後藤新平の繋がりが出てくる。鶴見俊輔の名前は、伊藤博文の幼名だという。これからどんなことが出てくるんだろうか。
日米交換船

日米交換船