ほぼ足りてまだ欲 その先

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安倍語法

 外務省が「本年3月下旬,外交に関する国内世論調査を行いました」ということで発表をしています。実は外務省はpdfで発表しているのですが、首相とご飯を頻繁に一緒しているマスコミはこの内容を意図的に改竄しています。多分首相官邸も外務省も、そして各マスコミの記者、デスク、キャップ、編集長も大学在学中に社会調査論、社会調査法を学んできていないということのようです。TBSラジオのSS22でも荻上チキが取り上げておりましたが、設問が意図的に誘導されています。社会学を少しでも囓った人が見たら、バレバレな展開ですが、世の中にはそんな人はほんの一握りなので、多くの国民は簡単に騙されてしまいます。例えば、

  • 日本政府は国際捕鯨委員会IWC)からの脱退を決定しました。今後は、IWCへの協力を継続しつつ、日本近海に限定して商業捕鯨を再開する予定です。このような日本政府の方針をどのように評価しますか。(単数回答)

 問題は「このような」です。ここで聞いているのは果たして、IWCからの撤退をどう評価するか、ではなくて、その後の「協力を継続」(実際にはどのように協力をするのか、誰も知らないし、政府も明らかにしてはいません)し、「日本近海に限定した捕鯨」をどのように評価するか、を聴いています。

 ところが産経新聞の記事を見ると

商業捕鯨再開を目指し、クジラ資源の管理を担う国際捕鯨委員会IWC)から脱退する政府の決定について「評価できる」と「どちらかといえば評価できる」の合計が67.7%%に上り、7割近くが肯定的であることが分かった。

 と書いています。お〜っ!そうなのか、良くやった、良く脱退したぞ!と本当に多くの日本国民が讃えているという記事になってしまっている!脱退したけど、南氷洋までは行かないんだ、「近海」に限定するんだ、という点について、「評価できる(34.2%)」と「どちらかと言えば評価できる(33.5%)」なんだと理解するのが正解なのです。それを「脱退する」を7割が支持していると書いてしまうのは、安倍晋三得意のやり方です。
 この外交に関する国内世論調査は、徹頭徹尾、この論法です。これって、あの代理店の入れ知恵ですかねぇ。

 荻上チキが取り上げていたもう一問
・「女性が輝く社会」を実現するために、2014年から国際女性会議WAW!( ワウ!) を毎年開催しています。日本のこのような取組をどのように評価しますか。(単数回答)

知らない(36.9%)」、「評価できる(21.1%)」と、「どちらかと言えば評価できる(23.6%)」を合わせると、44.7%
36.9%の人が「知らない」といっているんです。評価をする、というレベルの話じゃない。で、これ、いったいなんですか?