夜中にふと目が覚めて、イヤフォンを耳に突っ込んでラジオをつけたら、NHK-FMが戦争直後から1970年代のビッグバンドジャズをやっていた。若い時はエキセントリックなジャズも面白いと思ったことがある。スウィング・ジャーナルの横浜体育館でのコンサートに行ったら佐藤允彦や山下洋輔が出てきて、がッちゃんがッちゃんやっていたのを思い出した。あんまり突拍子もないのはもう草臥れるので、J-Waveに換えたら誰かがいかにも翻訳したものを朗読していた。スペイン風邪が流行った頃のことを書いたものをいわゆる翻訳した文章を読んでいる。旨くはないけれど、力がある。子どもの頃、それこそ高校生の頃はそんな時代背景の翻訳物を喜んで読んでいた時期があったことを思いだした。多分私が小説を読んだのはこの時期で最後だったような気がする。これは誰だろうと思ったら、最後にわかった。「MONKEY」という雑誌の編集長、翻訳家の柴田元幸だった。ポール・オースターって誰だよ、と思って、いつだった過去の雑誌を買ったことがある。私が手を出しそうな雰囲気のする雑誌でどうしてかなぁと思ったら、スイッチ・パブリッシングの雑誌だ。COYOTEといい、どうも手にしたくなる本を出す。困ったもんだ。そういえばこの出版社が古今亭志ん朝の本を出したことがある。しかしながら、なんでこんな名前の雑誌なんだろう。