ほぼ足りてまだ欲 その先

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女剣劇

 多分もうほとんどの人は忘れているだろうけれど、ひと頃女剣劇というものが大喝采を浴びていた時代があった。女芸人がかつての渡世人の役回りを演じて立ち回りまで舞台で演ずるという、まぁ、今から考えてみれば、キワモノの極地みたいなもんだけれど、今だって、いわゆる「大衆演劇(何と言う呼び名だろうか)」では男がべったり化粧をして、女を演じて踊って見せる舞台が残っているのもキワモノっぽい。

 なにしろ女剣劇がどれほど受けていたかといえば、テレビでその舞台を中継すらしていたのだから、その過熱ぶりがうかがえる。その二大スターの片方がついこの前までテレビにも登場して、デビ夫人と言い争いをして見せていた、浅香光代だった。その台詞といい、立ち回りといい、天下一品だった。浅香光代は衣装を着てカツラを付けたら、男の役者とほとんど変わりがなかった。しかし、人気の上では浅香光代がとても敵わない役者がいた。それが大江美智子だった。本名は細谷ヤエ。最初は大川美恵子と名乗り、二代目大江美智子を襲名。舞台では「大江さん!」と声がかかるのが常だった。2005年に86歳でなくなった。

 書いておかないと、彼女の名前を忘れてしまいそうだ。彼女は自伝を書いているそうだけれど、地元の図書館は貸出を禁じている。

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 咲き始めました。明日の暖かさでもっと開くことでしょう。