ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ことばかけ

 昨日のことなんだが、外から帰ってきて、エレベーターに乗り、扉が閉まりかかるところに「バタバタバタ!」と子どもが走る音がしたものだから、とっさにエレベーターの扉を押さえた。すると学校から帰って来たと覚しき小学校低学年の男の子と女の子だった。息せきって乗り込んできたから、「おぉ、驚いた、凄い勢いだな!」といった。すると彼等はきょとんとして、私の顔を見ているだけだ。それぞれ自分の降りる階のボタンを押して黙っている。「今学校の帰りかい!?」黙って私の顔を見ている。女の子が降りた。中に残った男の子も、降りていった女の子も、何もいわずに分かれた。「あれ?君ら同級生じゃないの?」男の子は小さい声で「ウン」といった。どっちかわからない。「別れる時に、じゃねぇ、とか、またね、とか声かけたりしないの?」と訊ねたところでエレベーターが停まって、男の子は降りていった。「またね!」と私はことさら大きな声でいった。男の子は「ウン」とだけいった。
 おっさんとは喋るんじゃないって、きっといわれてんのよ、と連れあいがいった。