ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

本当のことをいうとね

 生活を送る上でなくてはならないもの、「インフラストラクチャー」は本当のことをいうと、利潤追求組織である民間会社によって運営されてはならないものだと思っています。えっ!それじゃ共産主義じゃないの?という迂闊な反応があったりしますが、それなくしては暮らしていけない要素を売買行為を通じて儲け、それを株主に分配するというのは人の生活を取り上げるという行為になるよねぇ。
 電気、ガスというなくてはならない生活要素をこの国では利潤追求組織が運営していますねぇ。電気は東京電力福島第一原子力発電所事件以降、選択肢が増えてきたので、必ずしも東京電力から買わなくても暮らせるようにはなっているものの、それでもお客に売った金額の設定はやろうと思えば好き勝手にすることができます。もっともそんなことをしたら、よそから電気を買おうとする人が出るだろうね。しかし、ガスについては(わが方では)東京ガスから以外から買うことはできないわけです。
 東京ガスからガスを買いたくないからアパートのベランダで七輪で調理したら怒られることになるだろう。IHに換えたいといったら、お店の人が集合住宅の場合、勝手にIHを入れると集合住宅全体の容量に影響を与えるということになるよ、といわれてビビった。
 麻生太郎の娘婿はフランスの水道会社で働いているそうだ。かつてほんの3年半ほど暮らした豪州のSydneyはそれまで公営だった水道事業を民営化し、Sydney Waterという会社が作られた。その会社が水道事業を担当するんだけれど、フランスの会社が貯水場を作り、浄水施設を造り、その利用料を水道会社から徴収し、投資分を回収したらその水道会社に経営権を渡すという方式を採用した。しばらく経って、その浄水施設の不備が発覚し、微生物が混入したということが分かり、水道を飲用にしてはいけませんという日々が何ヶ月も続いたことがあった。じゃ、どうするんだといったら何もかもミネラル・ウォーターに頼った。ところが当時単身赴任状況だったので、買い物に行くチャンスが極端に少なくて、私がスーパーの売り場にたったときには必ず炭酸水しか残っていなかった。毎朝炭酸水で歯を磨くと激しく歯が綺麗になるような気がします、というジョークは短期間だけなら笑えるんでしょうねぇ。
f:id:nsw2072:20181109091709j:plain:w360:right この一件で、軽々しく民営化を語る人間は信じないことにしていますが、小泉純一郎が「自民党をぶっ壊す!」といって日本をぶっ壊したときの張本人のひとり、竹中平蔵という大悪人がいますが、やつらが郵便局をぶっ壊したときも、なんとも思わなかったのですが、今から考えると、それ以降郵便事業は廃れてしまいましたね。インターネットの普及で個人間の郵便利用は極端に減りました。今や年賀状も半減なんてものではありません。「暑中見舞い」なんてものに至っては多分死語ではないですかね。インフラストラクチャーとしての郵便がなくなってしまったわけですが、インターネットによって駆逐されたもののほとんどは、情報弱者と呼ばれる人たちを積み残してしまいました。もはや郵便のポスト回収は都会のど真ん中でも一日に一回しかありません。つまり、昔ながらに暮らしている人にとっては竹中平蔵によって、より不便を託つ(かこつ)ことになってしまったわけです。損害賠償して貰いたいくらいです。
 つまり、あらゆる分野を民間事業化するということは、便利さを一民間企業に売り渡すことになるのです。これは大胆にいってしまえば、国民を私企業に売り渡す、ということでもあります。しかもその企業に某大臣の息子が働いているんです。「フェアネス」という言葉は彼らの頭にはこれっぱかりもありません。なんで、こんなことが許されるんだろう。
 悪いドナルドがCNNの記者を「enemy of the people」と人前で愚弄しました。アイツも相当なバカですが、こんな事業を拙速に実現しようとするアイツも相当な越後屋でございます。